コラム

出社せずとも会社への帰属意識を保つ方法

今回は、前回(第21回)のコラムの続きとして、2020年6月25日の弊社無料セミナー「異文化から読み取る ニューノーマル時代の東南アジアの人材マネジメント」から、私(勝 幹子)が特に面白いと思った話をもう一つご紹介します。

マレーシアで米系企業のアジア地域人事統括をしているエイブラハム氏の話でしたが、マレーシア人もインドネシア人と同様、人とのつながりを大切にする「集団主義」の強い国民であり、オフィスでみんなと会って直接たわいもないおしゃべりをすることができなかったステイホーム期間は、「さみしい」という気持ちを強く持っていたそうです。そういう期間中は会社や同僚とのつながりを再度認識させることが社員のやる気の向上につながるということでしたので、実際にエイブラハムさんの会社ではどんな企画があったのかを聞いてみました。

オンラインでは、みんなで歌うカラオケ大会、クイズ大会、タウンホールミーティング等がありこれは部署付きのHR担当者(主にHRBP=人事ビジネスパートナー)による企画が多かったそうです。またオフラインでも様々な試みがあり、会社からステイホーム中の全社員に向けてプレゼントの入った小包を届けたり、会社のロゴ入りマスクを作ったりしたそうです。「実際にかかるコストはわずかだが、その効果は大きい」「こういうちょっとしたアイディアにかけてはマレーシア、インドネシアの人たちはとてもクリエイティブ」というのがエイブラハムさんからのコメントでした。

日本企業でも社員同士の親睦に力を入れている企業はありますが、インドネシアでは、人間的なつながりが仕事の成功に占める割合が非常に高いので、企業は戦略として、会社という組織に愛着を持ってもらうためのイベントを企画していく必要があると改めて認識させられました。日本人なら「仕事に遊びは必要ない」「余裕がない今、無駄な出費では」と考えてしまうようなことも、現地では「必須のイベント、必須の経費」かもしれません。

ぜひ、現地社員のちょっとしたアイディアを聞いてみてください。張り切って考えてもらえると思います。

サイコム・ブレインズ ディレクター 勝 幹子

 

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