せっかく部下に研修を受けさせるのだからしっかり学んできてほしい。当たり前の上司としての期待ですが、そのためには部下自身が「研修でこれを学ぼう」という目的を持っていることが大切です。
人間は子供のうちは、勉強しなさいと頭ごなしに言われても、素直に勉強を頑張ることができるのですが、大人になると「自分は何のためにこれをしているのか」が明確でないと学習モードに入りにくいことが分かっています。ですから、我々の研修では最初に、「あなたの今日のゴールは何か?」と確認します。その時に「上司が行けと言ったので来ました。自分としてのゴールはよくわかりません。」と平気で発言する方は、明らかに研修から得るものが少ないのです。
部下を研修に送り出す前に、どんなことを学んでほしいと思っているのか、なぜ研修に送り出すのかをしっかりと伝えましょう。ポイントは「〇〇ができないからカイゼンしてほしい」という弱点にフォーカスした言い方ではなく「君には○○ができるようになると期待している」とポジティブなトーンで統一することです。
では、前述のような受け身な受講生がいたとき、我々はどうしているのかもお伝えしましょう。そんな時は「ではあなたの上司はなぜあなたを研修に送ったんでしょうか?あなたに投資する価値があると考えているのではありませんか?」と問いかけます。すると、多くの方は照れ笑いをしながらも「そうかもしれませんね」と答え、自分なりの研修のゴールを考えるようになります。
少しのコミュニケーションで、学ぶ姿勢がガラリと変わります!ぜひ実践してみてください。
サイコム・ブレインズ ディレクター/シニアコンサルタント 勝幹子